2014年1月29日水曜日

【予告】RTS歴訪:リアルタイムストラテジーの系譜学を目指して


□リアルタイムストラテジーというトレンド(があった)

RTSの停滞が叫ばれて久しい。だがちょっと待ってほしい、鰤は?Relic Entertainmentは?Creative Assemblyは?…まだ息をしているのではないか。確かに依然として、というか益々、素晴らしい作品がリリースされ、継続的に遊ばれているのは疑いの余地がない。だが覚えているだろうか。10年以上前のジャンルの活況を。雨後の筍のように、正直微妙な、しかし野心的な作品が沢山リリースされていたあの時代のことを。
 今日のRTSは、結局のところ、概ね対戦ツールとしてのバランスを洗練させるという方向に収斂しているように思う。だが10数年前はそうではなかった。対戦ツールとしてだけでなく、一人遊びの道具として、そしてなにより、戦略ゲームの新しいフォーマットとして、ゲームバランス調整を大胆にうっちゃった野心的な作品が少なくなかったのではないか。そしてそこでは今でも人気のある、取っ付き易い題材ではない、様々なトピックが主題化されていたのではなかったか。
  これはある意味で、RTSの系譜学と呼びうる何かを問うてゆく試みである。今日、誰の目にもジャンルの趨勢は明らかとなっているように思える。だが、時計の針を5年前に戻せば、あるいは10年前に戻せばどうだろうか。その時点において、後世に継がれることのなかった別様の可能性が存在していたのではないかだろうか。本稿では、(結果的に)非主流となったRTS作品を再検討することで、この、潰えてしまった可能性・失われた豊穣がなんだったのかを確かめたいと思う。


RTS勢を迎え撃つFPS・MOBA・ソシャゲ勢




□綱領的な箇条書き

・基本的に、10年くらい前のRTSを振り返って適当なことを書いていくという話。

・系譜学とは言ったものの、基本的に懐メロというか、おもひでぽろぽろ的な感じになる予定。

・または、著者がPCスペックや予算的制約で遊べなかった作品をやってみるという予定。

・グラフィック、システム、操作性、バランス等々、ゲームレビューに不可欠と思われる要素は極力省く。その代わり、ある作品の飛び抜けた点について、テーマ的なものを決めた上で、センス・オブ・ワンダーなことを書きたい(これは系統学なのでは…?さっき系譜学と言ったがアレは嘘だ…)。

・ただし、入手方法は書く。例えそれが「7年前に秋葉原のソフマップで見た」とかでも書く。

・ クリアや攻略を目指すものではない。飽きた時点で記事を書く。飽きたということは、それ以上新しい感想が出てこないということだろうから。

・ただし、「飽きる」までの最低限の目安として、AI戦を1ゲーム以上、キャンペーンゲームを2ゲーム程度やることとする。これらがない場合はその限りではないが(つまりその程度で飽きる)。

・したがって、割りと適当で乱雑な感想を書くことになる。百戦錬磨の猛者はいちゃもんをつけたくなるだろうが、それはやむなし。そもそも「ある作品についての正確な評論」は目指さない。

・シングルメイン。というか、マルチプレイは絶望的だろう。だがもし――生存者が居るならば、手合わせを挑むのもやぶさかではない。

・週一か、隔週か、月一か、隔月か、半年に一回くらいのペースで細々やります。

 

□検討予定作品

1. Stainless Steel, 2001, Empire Earth. 
  ――マルチエラRTSは可能だったか
2. Haemimont Games, 2002, Celtic Kings: Rage of War.
   ――RTSにおける補給の役割
3. Buka. 2003,The Entente - World War I Battlefields.
   ――ユニットの死にやすさの意味 (仮
4. Infinite Interactive, 2004, Warlords Battlecry III.
   ――ゲームを引き継ぐということ (仮
5.Eidos Hungary, 2007, Battlestations: Midway.
    ――プレイヤーの立場をめぐる諸問題 (仮
6. …


…他に色々と扱いたい作品はあるのだが、入手困難だったりして辛い。

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