2013年6月18日火曜日
ハンナ・アーレント, 『カント政治哲学講義録』を読む①
・ Hannah Arendt, Lectures on the Kant's Political Philosophy, edited and with Interpretatie Essay by Ronald Beiner, The Univesity of Chicago Press 1982 =仲正昌樹訳, 2009, 『完訳 カント政治哲学講義録』明月堂書房刊. をちまちま読む。
・適当にまとめる。
・ページ数、引用は特に指示がない場合前掲書の訳本からのものとする。
■『思考』への補遺 pp.12-15
これから意志と判断力を検討していくよ。これらは未だ存在せざるものを対象するよ。しかも特殊なものを特殊なまま、一般化せずにあつかうよ。
□意志
意志は自由と密接不可分だよ。意志によって欲望・理性その他の因果連鎖が断ち切られるような気もするけど、気のせいかもわからんね。
□判断力
『判断力批判』以前は判断力についての議論は殆どなかったよ。判断力は帰納でも演繹でもないよ。判断力は「沈黙の感覚」だから、良心のように、天下り的にああしろこうしろと言うものではないよ。判断力を身につけることは難しいよ。しかし、脱・ひきこもりをするためにはぜひとも身につけたい能力だよ。カントは「統制的理念」でもって判断力を助けようとしたけど、私は判断力固有のやり方があることを示したいよ。
□歴史
判断力は過去を扱う能力だよ。その意味で歴史家は過去の判定者だよ。一方、近代哲学は歴史の趨勢のようなものを適当に扱い過ぎたよ。歴史の判定者としての能力を相対化することで、近代的な歴史観の超克をはかるよ。
■雑想
・例の「一人でいるときが最も孤独でなく、何もしていない時が最も活動的である」という言明の意味は、いまだにちゃんとわかっていないのですが。
・「敗者の歴史はカトーが喜ぶ」みたいな話。ベンヤミンを経由した大澤真幸の大昔の議論を思い出す。
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