2013年7月26日金曜日

ぼくがかんがえた最強の海軍ゲー

かんこれに対抗すると見せかけて、パラドゲーと提督の決断を叩く方針で。
とりあえずコンセプトはみっつ。

①試行錯誤の海軍史をランダム的に
19世紀中葉から20世紀にかけての海軍ドクトリンは試行錯誤と失敗の連続だったろう。ウィキペディア的豆知識風に言えば…
「装甲艦沈まないから衝角つけるはwww」→無理
「魚雷強いから水雷艇だけあればよくね?」→駆逐艦とか来る
「主砲強くすればシタデル打ち抜けるんじゃね?」→副砲のが強い
「副砲と主砲のバランス大切だよね」→ドレッドノートとか来る
「戦艦は20ノットもあればいいよね」→巡洋戦艦とか来る
「とりあえず主砲沢山のっけたはww」→バイタルパートやばい。あと舷側防御じゃダメ
「潜水艦強いし大砲詰むかな…」→…
などなど。
 歴史ゲーとして考えた場合、「どうせ空母の時代が来るからそっから逆算して技術開発するかな」というのは味気ないし歴史認識として正しくない。歴史の当事者の立場はむしろ、「ドリル戦艦を開発するべきか、大艦巨砲潜水艦を作るか」というジレンマを伴うものに近い。つまり、他でにもあり得た可能性があり、歴史の偶然性によって、その選択の帰結は常に明らかでないという立場に身を置かざるを得ない。そういう作品がやりたい。

もうちょっととっつきやすければいい作品だった。
(ちゃんとやってないけど)Sword of the Starsはそういう発想に基づいてテックツリーにランダム性を導入していたと思う。 これと同様に、ゲーム開始時にランダム生成されるシード値に基づいてゲームバランスとテックツリーが微妙に変わるようにする。例えばあるシード値の元では、航空技術の発達が遅れたために、戦艦が遅い時期まで活躍するかもしれないし、別のシード値では砲装兵装が伸びず、装甲技術ばかり進歩したため、衝角戦で決着がつくようになった、などなど。
 これを実装することのゲーム性上のメリットは、単線的な歴史観を回避することで、4Xストラテジーが地獄のレースゲームと化すことを回避できるという点にある。さすがに文明6000年史で別の発展の可能性を考えるのは困難でも、海軍100年史くらいなら行けるはず。*1

②何のための海軍かをちゃんと考える
 以上は技術史的な複数性だったが、海軍ドクトリンの複数性をみていく。4Xストラテジーの大原則は領土拡大=資源の確保。まずこの脳天気な前提を疑う。そもそも占領地の生産はそう簡単に回復しないし、よしんばそれがなされたとしてもそれが天下り的に海軍省に流れ込んでくるわけではない。
 とはいえさすがにゲームなので、海軍貢献点みたいなもので資源管理をやりたい。で、この海軍貢献点の稼ぎ方は国によって違う。イギリス(っぽい国)では、敵艦隊を軍港に封鎖してシーレーンを防衛する毎に貢献点、ドイツ(っぽい国)では、封鎖を突破して通商破壊をする毎に貢献点。陸軍が強い国では陸軍と協働する毎に貢献点が入るのに対して、海軍国は相対的に自律的な作戦行動が出来る…等々。各国の地政学的、軍事的、政治的な違いによって、幾通りもの海軍の在り方が可能だっただろう、ということを示したい。

Shogun2 FotSは立地によって海軍の使い方が大分変わる。これは上手い
③戦ったら負け
 戦勝点ではなく、貢献点と述べた。これは艦隊決戦で勝利することが必ずしも海軍の目的ではなかったし、 海軍ゲーの目的でもないだろうという発想に基づく。場合によっては艦隊が現存していることの方が重要であったし、それは戦時のみならず平時においてもそうだっただろう。言い換えるならば、戦時・平時を問わず、海軍のプレゼンスをめぐる戦争経済のようなものを描きたい。
 例えば、あなたが保有している4隻の戦艦は1年あたり10の貢献点を生産する。これに対して、隣国は火力と装甲で上回る新造艦を建造し、1年あたり15の貢献点を生産するとともに、陳腐化した我が艦隊の貢献点生産力は5点/年まで下がる。これに対して旧式化した戦艦の近代化改修と、新造艦2隻の建造で対抗する…とかなんとか。
 大切なことは、ここでキャピタルシップが生み出す貢献点は、「実際にその船が強いか」とは全く関係がないということである。貢献点評価が低い新技術の艦船で、評価の高い従来型の艦船を駆逐して貢献点を逆転させる、というのは可能である。逆にいえばあなたは何隻でもドリル戦艦を保有できる。その無力さが明らかになるまでは。

 
*1:この議論については徳岡正肇氏のCiv4についての議論(http://www.4gamer.net/weekly/civ4/007/civ4_007.shtml)を参照。

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